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2010年10月分


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2010/10/30


久しぶりに朝から雨。僕は雨の日が結構好きで今日も朝から勉強がすごくはかどった。雨の音ってすごく癒される・・。

イギリスに住んでた時も雨の日が多く、おかげで勉強できた。これがイタリアだったら僕は今頃どうなってたのだろう・・・?と思う時がある。


昨日は時間に余裕ができたので、例の根津の大好きなお蕎麦屋さんに久しぶりに行ってきた。女将さんにも久しぶりに会えたし、極上のお酒とあてとお蕎麦をゆっくり楽しんできた。最高でした・・・。



以前も紹介した根津神社(鬼平犯科帳にもよく登場します)。仕事部屋のある実家からはここを通り抜けて気分を盛り上げてそば屋に向かう。



根津の鷹匠というお店。朝の7時半からやっていて(9時半で一度閉まってお昼からまた開く)、ひと勉強してから朝一番に行くのもすごく気持ちいい。




   藤岡 幸夫


2010/10/29  No. 2


昨日今日と8月に関西フィルとレコーディングしたシベリウスの交響曲5番と「カレリア」組曲の編集作業。 時間が経って冷静に録音を聴くと新たにいろいろ反省点が見つかるものだ(いつでもそういうものです)。


それでもこの交響曲5番は関西フィルと取り上げるのが4度目だったし、コジマ録音の素晴らしい技術も伴って僕たちの良さが伝わるCDになると思います。


お楽しみに!(詳細はまだ未定です)。


それにしても…シベリウスっていいなぁ…!


僕の無理な要求にも笑顔で素晴らしく応えてくれるエンジニアの山中くん。





   藤岡 幸夫



2010/10/29  No. 1


   「ひと違い」


僕に似た顔、姿の人が結構多いらしい…。

古くは学生時代、付き合ってた彼女から

「アナタ昨日渋谷の公園通りを女の子と手をつないで歩いてたの見たわよ!」
と怒られたことがあるし(もちろん僕じゃありません。)、数年前にオーケストラのメンバーに


「フジオカさん、昨日芦屋近くのコンビニに隣に女の子のせてポルシェ停めてたでしょ。見ちゃいましたよ〜」 と言われたことがある(もちろん僕じゃありません。大体僕は愛国心強く日本車党で外車には乗りません)。


今日も突然某オーケストラの友達から電話かかってきて


「さっちー、今熊本にいるんだって?同僚がさっちーを見たっていうからさ。僕たちも今熊本なんだ。」
僕はもちろん熊本にいません…。


いやはや…へたするとすごい誤解を受けやすい。
僕を見かけた方はとりあえず声をかけて確認してくださいね。


   藤岡 幸夫


2010/10/28


いつのまにか冬ですね。僕はこの冬のはじまりの緑の匂いが大好き。


昨日は天気も良かったので普段クルマか自転車で移動する、仕事部屋のある実家やヘアカットの美容院の往復を散歩がてら時間をかけて歩いた…。


実は最近ちょっとベスト体重をオーバーしてしまってて、昨日はジムが休みだったのでいい運動になってよかった。


日本の冬の青空は澄んでて気持ちいい…!



朝、陽が昇ってからテラスで外の空気を吸いながら休憩する。とても自慢できるような趣味(園芸のことです)じゃないが、それでもテラスの緑たちが素敵な香りをさせてくれる。



先日いつのまにか東京スカイツリーが目の前に現れてびっくり(それまで建物に隠れてた)。にょきにょき伸びてます。ちょっと嬉しい。



   藤岡 幸夫



2010/10/26


   ベートーヴェン 「荘厳ミサ曲」 の話 ・・・ その1


 12月に大阪アカデミー合唱団&関西フィルとベートーヴェンのミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)を取り上げる。来月のはじめに初めての合唱のリハーサルをするので楽しみにしている。

 ところで若いころはこの曲の良さが全く分からなかった。スコアを片手にずいぶんといろいろな演奏を聴いたがいまいちピンとこなかった。
 例えば第九なんて何にも知らなくたって感動できる曲だが、このミサ・ソレムニスは作曲された背景を知ることでかなり違うと思うし、この曲の素晴らしさがわかり始めるといかに凄い作品か理解できる。


 1812年はベートーヴェンにとって私生活が絶頂の年であり、また奈落の底に落ちた年でもあった。不滅の恋人との幸せの絶頂であったはずが突然の破局(以前も書いたが、二人の想い出は交響曲8番にこめられてる)を迎える。 恋人と家庭をもって移住をすることすら夢見ていたベートーヴェンは精神的に大打撃をうける。これからベートーヴェンは5年以上の低迷期に入る。

 恋人の破局だけではなく、1812年はナポレオンがロシアに敗れた年で(チャイコフスキーの序曲が有名ですね)、ベートーヴェンを応援していたウィーンに進出してた貴族たち(ナポレオンの政策のおかげで大儲けをしていた)は大打撃をうけてその多くはウィーンを去ってしまう。

 ナポレオンの敗戦後に諸国の重鎮がウィーンに集まってウィーン会議が開かれる。ナポレオンは自由、平等、友愛を掲げたが(ベートーヴェンはナポレオンよりの思想だった)ウィーン会議は時代に逆行するものと知って絶望する。(ウィーンは以前にもまして芸術まで自由が規制され、言論の自由すら許されない密告の社会に逆戻りしてしまった)。

 ベートーヴェンが精神的な大打撃をうけて創作意欲はなくなりインスピレーションもわかなくなると、今度は難聴がひどくなるだけでなく病魔が彼を襲う。肺結核と診断され(これは当時は癌に等しく、弟は1815年に肺結核で亡くなる)、またベートーヴェンの周りの大切な友人やパトロンたちが他界する。ベートーヴェンは死の恐怖に襲われるようになる。(肺結核は後になって誤診とわかるのだが・・)。


 「死病にとりつかれ、これから逃れることができず、日に日に死に近づき・・・・・以下略」

 など死に対する恐怖の言葉を日記やノートに書き留めるようになる・・。


 またかつての恋人でベートーヴェンの子供まで生んだ女性ヨゼフィーヌが事業に失敗して精神の病におかされ始める。ベートーヴェンは1816年から1817年にかけてヨゼフィーヌの相談にいろいろとのっていた。この時期ベートーヴェンは出版社から印税を数年分前借してるがヨゼフィーヌを助けることがその理由の一つだったともいわれてる。それでもヨゼフィーヌの病状は悪くなるばかりで1819年には幻覚の中で生きてるだけで、1821年に41歳の若さで他界する(この時期にあの第九の3楽章の美しいテーマがスケッチされてる)。

(ヨゼフィーヌとベートーヴェンの間に生まれたといわれる子供はヨゼフィーヌの姉が育てていた。今でもヨゼフィーヌが不滅の恋人だったという説も残っている)。



 1812年から復活の年とされる1819年まで、あらゆる精神的打撃をうけたベートーヴェンは最後に神にすがった。
 ベートーヴェンは信仰深くなくキリスト教の熱心な信者でもなかったが、それでも神に救いを求めたのだ。

 ベートーヴェンは自分が興味があるのは宗教的な主題だけと公言するようになり、図書館に通って過去の作曲家のあらゆる宗教曲の研究をはじめるようになる。
 ベートーヴェンはミサ・ソレムニスを構想しスケッチをすることで復活を始め、そして1819年から本格的に始めたミサ・ソレムニスの作曲過程をとおしてベートーヴェン自身がついに生き返るのだ(並行してピアノソナタの作曲をはじめ、こちらが先に完成する)。



 ミサ・ソレムニスは一般の宗教曲とは違う。 ベートーヴェンが一番言いたかった言葉がキリスト教の理念に関係なく強調される。(これは以前も解説したが第九も同じ。シラーの言葉を並べ替えベートーヴェンが強調した言葉はシラーの詩の本来の持つ意味とは違っている)。


 例えば3曲めの「クレド」(全体の中心をなす)では最後の「来世の生命を待ち望む」という詩があらゆる手法で強調されるが、これはベートーヴェンの来世で生まれ変われる(=永遠の命)に対する強い思いがこめられ、本来のクレドの持つ意味と違う。また終曲の「アニュス・デイ」では最後の「われらに平和を与えたまえ」がもっとも強調される。それは人間の内側と外界の平和安らぎを深く求めたもので、途中何度も戦争が暗示されながら平和を願い続けるが、これはもう宗教曲の枠から大きく飛び出してる。最後にあっけなく終わってしまうのは、まだ平和は訪れず何も解決されてないからだ・・・!



 このミサ・ソレムニスの持つ生命力に圧倒され、またその神聖な美しさには思わず息を呑む。神にすがりそして復活するベートーヴェンの姿が楽譜の向こう側に見えてくるようだ。

 このミサ・ソレムニスの素晴らしさがわかってくるとそのスコアに感動するばかりで、後期のピアノソナタや弦楽四重奏と肩を並べるその崇高さに比べ、これは言い過ぎかもしれないが第九が通俗的にすら感じてしまう・・・。


 本番がいまから楽しみです・・・!


 思わず長い文章になってしまいました。
 またコンサート前に今度は各曲の解説をしますね。



 その前に関西フィルとは11月19日に定期でブラームスの3番、東京では日本フィルと11月29日にサントリーで幻想交響曲です!

 こちらもどうなるかすごく楽しみ! 



 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!



   藤岡 幸夫




2010/10/25


先週の土曜日は年間を通じて関西フィル&藤岡がお世話になってる吹田メイシアターで、落語家の米團治師匠、演出家の平田オリザさんと関西の芸術文化についての公開のパネルディスカッションをしてきた。


前半は平田オリザさんの劇場文化についての講演で、街にとって劇場(ホール)がいかに大切でどのように機能させるかという話で、流石にとても分かりやすくとても勉強になった。


これからは各地方都市がしっかり力を持って成長していくべきで平田さんの話にはとても賛成だ。


これは以前も書いたかもしれないけど、僕の持論は日本は今の東京集中が続く限り後進国だと思ってる。少子化の原因もそこにあると思ってるし、遷都も真剣に考えるべきだ。


元々地方にあった大企業が東京に本社を移すから地方は元気がなくなる。
みんな地方に帰って地元を活性化するべきた。


先進国はどこでも首都以外の街がしっかりとした経済力と文化を育んでる。


ファンサイトでこういうカタい話はあまりしたくないのでこの辺にしておきますが、とにかく関西フィルとさらなる芸術的な飛躍を目指す一方で、関西の各街にある素晴らしいホール(本当にたくさんあります)でもっとコンサートできるように(=裾野が拡がる)、頑張ります!


それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!


   藤岡 幸夫




2010/10/21 No.2  Sachioの独り言


  「ギーゼキングのベートーヴェン」


今日は朝からミサソレムニスを勉強してた。

今、寝る前に一杯やりながら大好きなギーゼキングの弾くベートーヴェンのソナタを聴いてる。

このe moll(27番)とA dur(28番)は、不滅の恋人との破局、ウィーン会議、病気による死への予感とベートーヴェンが最も苦しい時でまた創作意欲がなくなってしまった中での数少ない名曲。


この苦しい時期を乗り越えて生まれたのがミサソレムニス(作曲しながら復活したとも言える。この話はそのうちします)。


この2つのソナタはなんとも切ない…。先に見えるのはあきらめなのか希望なのか?e moll のソナタの終わりはあまりにあっけなくてどきっとさせられる…。そしてA durの最後でやっと光が…!それでも翌年は「昼間でも死という観念に襲われるのは珍しいことではなくなった」と絶望のどん底に墜ちスケッチ帳も半年以上空白がつづく…。


ギーゼキングのタッチが品格高く、ときに悲しいほど美しい…。


   藤岡 幸夫


2010/10/21 No.1


昨日は大阪に帰って関西フィルとリハーサル。
リハーサルが早めに終わったので例の福島のお蕎麦やさんに行くことにした。

商店街の奥にあるこの「からに」というお店、ガラス張りで外見はそば屋とわかりにくくて面白い。

お店の中ではおじさん2人がかなり飲んでる。美味しそうな あて を肴に飲んでて、まだ そば にたどりついてないから 通 のお客さん。


僕もお店に入って席についてちょっとすると、その2人組のおじさんのひとりが僕をみて「藤岡さんや〜、そうですよね?やっぱり藤岡さんや〜」と声をかけてくれた。


僕のコンサートによく来てくれるファンの方で、僕が大阪では第9を吹田でしか振らないのを知ってて「吹田のチケット買いましたよ〜」と言ってくれたので(お住まいは天王寺)本当にファンの方だと嬉しくなって3人で一緒に飲むことに(ただしこのツルタさん、サイトは読んでなかったみたいで僕がそば好きと知らなかった)。


そばも旨かったし、あてもいろいろあってすごく美味しい。またご主人の選んでくれるお酒が最高で思いがけずオヤジ3人でとても楽しく飲むことができた。

皆さんありがとうございました!またお会いできるの楽しみにしてます!



さてさて今日はまた朝からミサソレムニスのスコアにどっぷり浸かります。幸せです…!


   藤岡 幸夫


ツルタさん。釣具の世界ではとても有名な方らしいです。


2010/10/20

昨日は調布のたづくりくすのきホールで「マエストロの部屋」という面白い企画。サックスの須川展也さんとピアニストの小柳美奈子さん(須川夫人)を招いて、演奏やエピソードを交えながら今回はムソルグスキーの「展覧会の絵」をメインとして話しをした。


須川さんと僕はツーカーの仲なので台本もなく打ち合わせもほとんど無しだったけど、なかなか上手くいってお客様にも楽しんでいただけたんじゃないかな?

須川さんとの仕事は素晴らしいソロも楽しませてもらえるし、いつも本当に楽しい。


須川さん、美奈子さん、それに素晴らしい企画をしてくださった たづくりホールのスタッフのかた達、それに平日2時にも関わらず足を運んでくださったお客様、皆さんありがとうございました!


またコンサートでお会いできるのを楽しみにしてます!


PS
昨日は僕がデビューした頃からのファンの姉妹とお母さんに久しぶりに会えて嬉しかった。あの頃は2人ともまだ小学校の低学年だったのに、今は大学生でしかも音楽大学で勉強してるそうだ。2人とも素敵なレディになっちゃって全然わからなかった。僕もそれだけオヤジになったんだと実感(あの頃は30代半ばでしたから)。

でも今は歳をとることを楽しんでますけどね…!


   藤岡 幸夫




※10/19 マエストロの部屋 event reportはこちら
2010/10/18


今日は朝からどっぷりミサソレムニスのスコアに浸ってた。


昼は久しぶりに、根津にある大好きなお蕎麦屋さんに行こうとしたが、途中で月曜は休みだと思い出して根津にあるもう一件の蕎麦屋に入った。


実はこのお店もいい店と評判で雑誌なんかにも載ってたりするのだけど、贔屓のお店があったので一度も入ったことなかった。


せいろを頼んだのだけど旨かった! 久しぶりに美味しい蕎麦を食べた。
来週は今日お休みだった大好きなお店にも行くつもり(月火曜が休みで全然行けてない)。本格的な蕎麦屋が二軒あるとはさすが根津です。


ところで大阪の福島にすごく旨い本格的な蕎麦屋があると情報を得たのでこちらは今週行くつもり。(メン食いの道をまっしぐらです)。


さてさて明日は調布のたづくりくすのきホールで「マエストロの部屋」です。


どんなホールか楽しみにしてるし須川さんとの再会も嬉しい。明日は須川さんの演奏を交えながら「展覧会の絵」他について、いろいろなお話をしようと思ってます。


それでは明日、調布でお会いしましょう!



   藤岡 幸夫


PS
自転車で蕎麦屋に向かう途中、キンモクセイの香りがあちらこちらでしてびっくり。どの木々もファンメッセージで教えてくれた通り二度目の花を咲かせてました。すごく嬉しかったです。


根津神社です。我が家から自転車で20分くらい、仕事部屋のある実家から歩いて5分くらい。1900年の歴史かあってとても格式が高い(湯島天神よりも)。ここのお祭りは江戸の三大祭のひとつで地元っこの自慢です。





自慢の愛車です。

2010/10/17


今日は関西フィルと3年ぶりの舞鶴でのコンサートだった。港がすぐ近くで潮の香りのする街だ。

リハーサル前の午前中に東舞鶴高校の吹奏楽部の指導をしてきた。 みんな若くて(当たり前だけど)元気がいい。それにすごく純粋な感じがして心が洗われた。2曲指揮したのだけど、オーボエの女の子が2曲めでマリンバを演奏したり、ベースを弾いてた男の子がエレキベースを弾いてたりして楽しかった。

みんなどうもありがとう!若さをもらって元気がでました!


コンサートは前半がドヴォルザークのチェロ協奏曲でソロは遠藤真理さんですごく丁寧で爽やかな演奏だった。後半は今まで関西フィルと何度も取り上げてきた管弦楽曲集。今日のコンサートで少しでも多くの新しいクラシックファンが増えてくれたらと願う。

温かいお客様、ホールのスタッフの方たちや公演をサポートしてくださった皆さんありがとうございました。遠藤さん、関西フィルの皆さんお疲れ様でした。


さてさて僕は東京に戻って明後日の19日は調布市の たづくり くすのきホールで「マエストロの部屋」です。


それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!



   藤岡 幸夫




2010/10/15


17日の日曜は久しぶりに関西フィルと舞鶴でコンサート。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲は僕の最も好きな協奏曲の一つで、いつ勉強しても幸せな気分でいっぱいになる。舞鶴で共演する若手のホープ遠藤真理さんとは数年前に(このときは日本フィルでした)このドヴォルザークで共演したが、今回は彼女とさらにどこまでいいものにできるか凄く楽しみにしてる。

それから舞鶴からはこの10年来いつも僕のコンサートに足を運んでくれるファンの方がいて(チケット代より交通費の方が高いのでは?)、たまにはこちらから舞鶴に出向くことができるのも嬉しい。

後半は関西フィル&藤岡の十八番の華麗なる管弦楽曲で楽しんでいただきます。


それでは皆さんコンサートでお会いしましょう!



PS1
チリの33人の救出本当に良かったですね。ニュース見てて泣きそうになった。世界中の人々がこれだけこの人たちの救出を願い、あらゆる手段を尽くす一方でまだ人間同士で殺し合う戦争をしてる地域があるわけで、この矛盾は一体なんなのだろう…!

このニュースのときベートーヴェンのミサソレムニスを勉強してたが、この戦争が無くなり平和を願う傑作が生まれたあとも、人間は200年間も戦争で殺し合いを続けてきてるわけで…!


PS2
ミサソレムニス が段々とわかってきて勉強してて面白い…というより感動してる。このミサソレムニスは不滅の恋人との破局のあとの大スランプ(約5年間)のあとの大傑作だが、そのスランプの間に唯一といっても過言でない名曲がチェロソナタの4、5番。

ぼくは3番は若い頃よく聴いたけど4、5番が思い出せず、急に聴くことにした。生きることをあきらめかけた孤独感、切なさとその一方で奥深くに秘められた強い生命力…!心が揺さ振られた…。



   藤岡 幸夫



2010/10/12


昨日は高松のサンポートホールで関西フィルとコンサート。このホールで演奏するのは2度目だが本当に素晴らしいホール!


 プログラムの前半はチェロの宮田大くんで素晴らしかった。将来が楽しみ。

 後半は8月の滋賀シリーズでも取り上げた「シェヘラザード」で関西フィルらしい生命力あふれる演奏だった。またサンポート高松でコンサートできるのを楽しみにしてます!


 あたたかいお客様、ホールスタッフの皆さん、宮田くん、それに関西フィルの皆さんありがとうございました!


 本番の日の早朝に僕の大学の先輩が栗林公園を案内してくださったが、もうその美しさには息を呑んだ・・・・!!僕は庭園オタクだがここは僕の知る限りでは一番!! 高松には第九その他でもよく来るので、毎回ここで朝の散歩をするつもり(朝6時から入れる)。もちろんうどんも食べてきました(前日夜と本番前)。本当に美味しい!



 さてさて今週末は関西フィルと久しぶりの舞鶴です

 こちらもすごく楽しみ!それではみなさんコンサートでお会いしましょう!



   藤岡 幸夫



朝7時前からゆっくり栗林公園を1時間くらい案内してもらった。 眺めだけでなく緑の香りと鳥たちの声が最高でした!









散歩のあとは松平の殿様の茶室で朝粥で朝食。すごく美味しかったし、絶景でした!






リハーサルが終わったあとうどんを食べて本番前はホールの前の港でのんびり。潮風をいっぱい吸って、沖を行き交うフェリーを眺めてるだけで気持ちが大きくなる…。



※10/11高松公演 event reportはこちら
2010/10/08


 先日手に入れたキンモクセイの花が終わってしまった・・・・。

 葉っぱは元気だし結構立派な植木なのに、いくら花が香る期間が短いとはいえ4〜5日で終わっちゃうものなのかな・・(誰かわかる方いたら教えてください)。


悔しかったので他のキンモクセイの観察をかねて近所を散歩してたら、商店街でキンモクセイの鉢を安く売ってたのでまた買ってしまった・・。といっても来週戻ってきたときにはどうなってるんだろう・・・?



 さてさて今週の11日(祝)は恒例の高松でのコンサート。
前半は今話題のチェロの宮田大君(ロストロポーヴィッチ国際コンクール優勝でまだ24歳でハンサム!)を迎えてカバレフスキーの協奏曲(素敵なコンチェルトです!)。後半はリムスキー・コルサコフの「シェヘラザード」でこの豪華絢爛な千一夜物語を関西フィルのエキサイティングな演奏で楽しんでいただきます!それから港の前に建つこのサンポート高松は音響も素晴らしく美しいホール!(ロビーから海を一望できる)


高松はとにかくうどんや魚が美味しいのでそちらも今からすごく楽しみ。
四国以外の方々も観光がてらいかがですか?



 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!



   藤岡 幸夫




2010/10/07


   「ブラームス」 の話

ヨハネス・ブラームス
(1833-1897)




 昨日は朝からブラームスの3番のスコアを読んでた。この3番でいつも思い出すのがブラームスはこの1楽章の4分の6拍子を6つに分けて振ってた話(現在では通常2つに振る。6つに分けると遅すぎる)。

これはイギリスで古参の団員さんが教えてれた話だけどヨーロッパでは有名な話らしい。

当時はまだ指揮法が発達してなかったし、作曲家が自分の思い通りのテンポで振るのは難しいというよくある例だ。

ただしブラームスの指揮者としての評価は決して悪くなく、自身のピアノ協奏曲1番の1楽章を(これも6拍子)なんと4つに振って素晴らしかったという記録が残ってる。



 ところでダイナミックス記号のmp(メッゾピアノ)という表記はブラームスの交響曲に沢山ありそうで実は各交響曲にほんの数ヵ所しかない。実はベートーヴェンも9つの交響曲で確か1ヶ所だけだし、シューベルトもほとんどない。

 (僕は当時の p 1つの音量感覚は現代より大きかったと思ってる。mp の話はいずれします。)


 ブラームスはこのmpを積極的に使おうとして批評家に「許されざる革新」と批判されてる(今では考えられない)。ところで僕が3番の1楽章で大好きなところがあるのだけど、そこにはmpとあってブラームスの想いを感じる・・。

 (ところでブラームス特有のダイナミックス表示に pf というのがあるがこれは poco f のことだ)



 ブラームスはテンポに関して「自分の曲を指揮してもいつも違うのに・・」といってメトロノームでテンポ指定をしなかったが(マーラーも全く同じことを言ってる)、さらにインテンポの演奏を何より嫌った。自分の交響曲の演奏会で指揮者があまりにインテンポで演奏するのに頭にきて、すぐ近くに座ってた見知らぬお客さんも道ずれにして演奏中にホールから出て行ったというエピソードがある。

 その一方で自分の曲を演奏する演奏家に対してよく言ったセリフが「好きにやっていいよ・・・!」だったそうで、これは僕も今までルトスワフスキやフランセをはじめ多くの作曲家に言われてきた言葉だが、その裏には「精一杯の愛情をこめてくださいね」という作曲家の想いを感じる。



 ブラームスはベートーヴェンを崇拝していたイメージがあるが実はモーツアルト、ハイドン、バッハをより高く評価していた。ベートーヴェンの斬新さは素晴らしいがモーツアルトの方がはるかに意義深いと思ってたようだ。不協和音の使用法ではモーツアルトやバッハのほうがずっと優れていたし、ハイドンがいかに凄い作曲家か周りの人間が知らなさ過ぎることを嘆いていた。



 「ベートーヴェンには誰も曲を注文しなかった。つまんないものしか作らなかったからだよ。ハイドンやモーツァルトに注文がいったら同じパーティ音楽でも変奏曲でも天才的なものになったさ。」


 というセリフを残してる(ブラームス回想録集より)。



 ブラームスは同時代の作曲家たち(ワーグナー、チャイコフスキー、ヴェルディ、etc.)を認めてはいたもののあまり好きじゃなかった。でもヨハン・シュトラウスだけは別でよく聴きに行き絶賛し、そして何よりシュトラウスの音楽を愛していた。

 ヨハン・シュトラウスの娘にサインを求められたブラームスは、「美しき青きドナウ」のメロディを書いて「残念ながらブラームスの作品にあらず・・・」としるした話は有名だが、ブラームスはシュトラウスの優雅さと品格の高さに魅かれていたのだ。



 ブラームスは束縛を嫌い一生独身を通したが14歳年上のクララ・シューマンと恋人同士だった(シューマンが亡くなってから)。結婚こそしなかったが二人は数千通の手紙をかわしお互い喧嘩もよくしたし、ブラームスも他の女性に恋をすることはあったが、二人の関係はクララが亡くなるまで続いた。クララが60歳を過ぎた時にお互いが出し合った手紙を交換しクララはそれを暖炉で燃やし、ブラームスはライン川に放ったという。



 クララが亡くなったときブラームスは傍にいられなかった。それがショックでブラームスも急速に体調を悪くしていき結局クララが亡くなったその翌年にブラームスも亡くなる。

 亡くなる3週間前に無理をして足を運んだコンサートがシュトラウスの新作のオペレッタだったという・・。ブラームスがいかにシュトラウスの音楽を愛していたかわかりますね・・・。





 まぁこんなエピソードを思い出しながら今日もブラームスのスコアを読んでます。



 来月の関西フィルとの3番が楽しみ・・・。



 その前にまずは今週末は大好きな高松でコンサートです!!こちらはリムスキーコルサコフの「シェヘラザード」他です!



 それではみなさんコンサートでお会いしましょう!!


   藤岡 幸夫



2010/10/06


   「加山雄三」さんの話


テレビを何気なくつけたら加山雄三さんが歌ってた。多くの歌手は昔のヒット曲を崩して歌うが加山さんはいつも美しいフォルムを崩さないのが嬉しい。人柄の現れだろう。


加山さんは素晴らしいメロディメーカーだと思う。確かに似た曲もあったりするが、はっとさせられる素晴らしいメロディがたくさんある。


また一流の航海士だけでなくスキーも水泳も抜群、サーフィンを最初に日本に紹介したりする一方で、
言うまでもなく歌だけでなくピアノやギターのプロで当時斬新だった洋楽のスタイルをいち早く日本に取り入れた。
それに加えて素晴らしい絵を描く上に料理も上手いというスーパーマンだ。
昭和の日本の文化を支えた人だ。


加山さんの人柄や生きざま(山あり谷ありの人生だった)を反映した名曲は多い(ほとんどCDかLP持ってます)。何より男としてすごいと思ってる。


今年で75歳だそうだけどずっと元気でいて欲しいです。

僕は素晴らしい音楽家はクラシックとかポップとかジャンルなんて関係ないと思ってる。


PS
実は加山さんと同時代のザ・ピーナッツも大好き。この2人の歌は本当に凄い。ハーモニーが素晴らしいのはもちろんだが本当に凄いのはユニゾン。聴いててぞくぞくする。そしてとにかく艶っぽい。

現代の若い歌手はセクシーな刺激的な衣装で歌うだけで音楽は全然セクシーじゃないけど、ピーナッツの2人の色気は不偏的だと思うのは…僕がオヤジなだけか…?


   藤岡 幸夫


2010/10/05


街中で大好きなキンモクセイの香りがするようになった。

以前から我が家にもキンモクセイが欲しくて探してたが、なかなか手に入らなかった。でもかみさんがやっと見つけてきてくれた。

家中の窓を開けて近所のキンモクセイと我が家のキンモクセイの香りを満喫しながらスコアを読んでます。

最高です…!


   藤岡 幸夫



2010/10/04


今日は関西フィルの毎年恒例の梅田芸術劇場での昼間のコンサート。平日にも関わらず本当にたくさんのお客様ありがとうございました。 梅田芸術劇場は大阪ならではの独特な温かい雰囲気で(馬蹄形でオペラハウスみたいな感じ)毎回楽しみにしてる。


前半のソリストは米良美一さん。共演でお会いするたびに表情がどんどん柔らかく深くなってる気がする。その音楽の優しさにすごく癒された。


後半は関西フィルとこの11年何度もとりあげてきたベートーヴェンの「運命」。何度やっても本当に難しい…!

それでも今日は完成度もよく燃焼度の高い関西フィルらしい素敵な演奏だった!今日の演奏で少しでも多くの新しい関西フィルファンがうまれたらと願います!

それにしても平日の午後に梅田芸術劇場で米良さんの歌に真剣勝負のベートーヴェンとは…!
素晴らしい文化ですね。


皆さんありがとうございました!


それでは皆さんコンサートでまたお会いしましょう!


   藤岡 幸夫





※10/4 UMEDA演奏会 event reportはこちら
2010/10/01


ビデオメッセージ(3分/5MB/wmv file)




   藤岡 幸夫



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