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2012年2月分


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2012/2/27


昨日は仙台フィルと仙台市民合唱団とモーツァルトの交響曲25番とレクイエム。オーケストラも合唱団も(アマチュアとしては凄くレヴェルが高い)ソリストの皆さんも品格高く美しく素晴らしかった!僕にとって決して忘れることのない記憶に残るコンサートになりました。


コンサート会場の仙台フィルの本拠地の青年文化センターはヨーロッパサイズのコンサートホールで残響が長くよく響く。リハーサルも2日間ともここでできたのもすごく良かったし(ヨーロッパで仕事してる感覚)、 久しぶりのモーツァルトプログラムもすごく新鮮でした。


皆さん本当にありがとうございました。


PS 街の中で見かける「私たちは負けない」の言葉が心に響きます。僕には全く想像できないほど大変な想いをしてる方々がたくさんいらっしゃるわけで、僕なんかが何を言おうとしてもただ空虚に響くだけだと何も言えない1週間でもありました。本当に少しでも早い復興をと心から願います。


   藤岡 幸夫





※2/26 仙台公演の event reportはこちら
2012/2/25


今日は仙台フィルとのリハーサル2日目。オーケストラもコーラス(どんどん良くなってます)もソリストの皆さんもとても品格高く明日がすごく楽しみ。


今朝目が覚めたら大雪でびっくりでした…。




   藤岡 幸夫



2012/2/23


   「マンチェスター時代」の話


昨日は仙台市民合唱団とリハーサル。とにかくヴィブラートのコントロールが抜群でノンヴィブラートを使えるからハーモニーが美しい。明日からの仙台フィルとのリハーサルが楽しみ。


今日は仙台のホテルで久しぶりのオフ。部屋にこもって勉強してた。
天気が悪く、外の雨ふる曇り空を眺めながらマンチェスター時代を思い出した…。


仙台は東京から新幹線で2時間ほどで、ロンドンから北に特急で2時間のマンチェスター(17年間住んでた)に街のサイズも含めてなんとなく似てる。
マンチェスターはとにかくいつも天気が悪く、そのおかげでよく勉強できた。


王立音楽大学の大学院在学中からマンチェスターカメラータ(室内管弦楽団)の首席指揮者をしてて、年間30本以上指揮してたから今思うと凄い勉強をさせてもらってた。同時にBBCフィルの副指揮者もしててこちらも毎年20本以上指揮してたから本当に恵まれた学生時代だったと思う。


今回取り上げるモーツァルトの25番やレクイエムも(カメラータは30人ぐらいの強烈な精鋭プロ合唱団と兄弟関係だったので)しょっちゅう取り上げてたのですごく懐かしい……。


あの頃の僕は古楽器奏法の洗礼を受けてて、オケもバロック奏法に長けてたので、かなりとんがってたかもしれない(今はハイドンにはするけどモーツァルトには古楽器のアプローチはしませんが)。


夜は前回仙台に来たときに高校時代の先輩に教えてもらった凄く美味しいお店でせり鍋に熱燗。最高に旨い…!マンチェスター時代はこんな美味しいものは食べられなかったなぁ。


それではまた!


   藤岡 幸夫

 
阿古という最高に美味しいお店。せり鍋が絶対お薦め。
2012/2/20


昨日は関西フィルと毎年恒例の小野(兵庫県)公演。毎年指揮して今年で12年目。3年めくらいから満席で今年もチケットも完売で補助席までいっぱいでした。

最初の「関西フィルと演奏しよう吹奏楽団」は中学生から大人までで80人強で関西フィルの管楽器とあわせて100人の吹奏楽団。凄い音がしてたし楽しかった!

吹奏楽団の次は地元オーディション(なかなかレヴェルが高い)で選ばれた大谷幸さんのソロでモーツァルトピアノ協奏曲。とても品格のあるモーツァルトでした。

そして「関西フィルと歌おう合唱団」との共通。大人は優しく明るく子供達の可愛い歌声が魅力。稲村穣司さん作曲の「子供ファンタジアU」も草野次郎さん作曲の「この想い届け北の空へ」もこの合唱団のために書き下ろされた素晴らしい傑作!凄い文化だと思う。

後半のプロコフィエフのロメオとジュリエットにボレロもすごく盛り上がりました。


盛りだくさんだったけど楽しかった!皆さんありがとうございました!



終演後に楽屋から見る夕陽が綺麗だった。



最高に可愛い子供合唱。大人と一緒に歌うのでみんなが優しい顔になる。この子供合唱から成長して大人合唱に移った子供もたくさんいて毎年みんなに会うのを楽しみにしてます。



毎回満席。地元のスタッフの皆さんのすごいパワーです。本当にありがとうございます!


   藤岡 幸夫


※2/19 小野市公演の event reportはこちら
2012/2/15

昨日は関西フィルとシンフォニーホールで毎年恒例の東大谷高校の卒業式記念コンサート。

ここの学校は校風がとてもしっかりしていて、それでいて明るく昨日もすごく楽しい雰囲気だった。このコンサートで少しでも関西フィル&クラシックファンが生まれたらと願います。
皆さんありがとうございました!


よく考えたら昨日はバレンタインデー。僕が高校生のとき毎朝地下鉄で顔をあわせてた女子高生から突然チョコレートをもらって、その子と付き合い始めた青春時代を思い出しました。

若い頃はバレンタインデーは特別な日だったけど、昨日の夜はホテルの部屋で独りで缶チューハイ飲んで10時前に沈没。

まぁ今のフジオカはこんなもんですわ…。


   藤岡 幸夫



2012/2/13

   モーツァルト「レクイエム」の話…その2


今日は来週共演する仙台市民合唱団と初リハーサル。五つぐらいの団体から精鋭が集まった100人ほどの合唱団でレヴェルは高い。音程も悪くないしヴィブラートのコントロールもすごくいいので残る課題はパワーアップ。どこまで進化できるか楽しみにしています。


今回取り上げるのはモーツァルトのレクイエム。
演奏する仙台の皆さんには僕なんかが想像出来ない、いろいろな想いがあるはずで、僕に出来ることは誠心誠意、皆さんとスコアに接っしていい演奏会を目指すことだと思っています。
心が引き締まります。


さて、この作品は以前も書いたけど僕は(デビュー当時はレヴィン版やバイヤー版、ランドン版を取り上げたけど)結局このジュスマイヤー版が好き。


これは有名な話だけど、このレクイエムはそもそもモーツァルトがヴァルゼッグ伯爵に依頼を受けた。但し伯爵はこの依頼を全くの秘密にするのが条件だった。


ヴァルゼッグ伯爵の若い愛妻が急死して、彼女の追悼のために依頼した。しかも伯爵はアマチュア作曲家で、そのレクイエムを自分の作品と偽って自分のお抱え音楽家達と演奏するつもりだった。


ところがモーツァルトは未完のまま亡くなる。ここでお金のなかったモーツァルトの妻コンスタンツェは子供達のためにもなんとしてもこの未完の作品を完成させようとあらゆる手段を使う(モーツァルトは伯爵から前金をもらってた)。


何人かの作曲家たちに依頼を断られ結局ジュスマイヤーが仕上げることになる(モーツァルトにとって最も近い弟子のひとり。モーツァルト公認でコンスタンツェとジュスマイヤーは旅行をしたりしていて2人は愛人関係にあったと噂もあるが、ジュスマイヤーは同性愛者だとモーツァルトが知っていたらしい)。


モーツァルトはラクリモーザの8小節で絶筆したといわれ、ジュスマイヤーだけの作品もあり、かなりの部分を極秘のうちにジュスマイヤーが仕上げた。


このレクイエムは完全なモーツァルトの作品として伯爵に渡されコンスタンツェは報酬を受け取った後、コンスタンツェは伯爵との「この作品の存在を秘密にする約束」を破りモーツァルトの最後の作品としてあちらこちらにこの楽譜のコピーを売ったあげく、演奏会も開いて大きな報酬を手にする(このコンスタンツェのおかげでレクイエムは世に知られたわけだ。モーツァルトが生きていたらレクイエムの存在は知られなかったかもしれない)。


伯爵は訴えようとしたがすでにコンスタンツェから渡されたスコアに自分の名前を書き込んで自分の作品として自分の街で発表していたので、このことを公に出来ず訴えを途中で引っ込めた。


ちなみにこのいきさつは1800年には発表され、モーツァルト以外の人間が仕上げたと知られた途端に多くの批評家はこのレクイエムはモーツァルトの作品ではない駄作とこき下ろした。後年シューマンもこのレクイエムはモーツァルトの作品ではないと言い切っている。
ところがベートーヴェンは、当時の批評家がこのレクイエムはモーツァルトの作品ではないと辛辣に書いた記事の余白に「おおばかやろう…!」と書き込んでいる。さすがにベートーヴェンはこのレクイエムをしっかり高く評価してたのだ。


最近では逆にこれは全てがモーツァルトの作品だと言う人も多くでてきてる。その理由はジュスマイヤーがこんなにレヴェルの高い作品を書ける訳がないというのだ。


いやはや…。これではジュスマイヤーが可愛そうだ。何故ならジュスマイヤーの作品の楽譜は何も残ってないから、みんなジュスマイヤーがどれくらい才能があったか知らない。ただモーツァルトでないというだけで評価が低い。
おまけに当時はコンスタンツェから何故か冷たくされていて、たいした報酬ももらえず結局アルコール中毒で亡くなってしまう。


確かにジュスマイヤー版は(オーケストレーションなどで問題はあるが)よく出来ていて、ジュスマイヤーだけの作曲とされる作品も素晴らしい。もしかしたらモーツァルトのスケッチが(コンスタンツェから渡されたもの以外に)残ってたのをジュスマイヤーが隠してた可能性もあるかもしれない。


でも僕は当時レクイエムの完成を託されたジュスマイヤーにはミューズの女神が降りてきたと思ってる。
モーツァルトの最後の1週間は死臭が漂っていたと言われるが、その同じ空気を吸っていたジュスマイヤーはどんな想いだったろう? いくら後の研究者が机上の論理でジュスマイヤー版を否定しても、同じ空気を吸って直にモーツァルトに接していたジュスマイヤーの優しさにはかなわないと感じる…(それ故僕はこの版の欠点すら受け入れられる)。だからこそこのジュスマイヤー版はずっと愛されてきたのだ。


それに現場の人間としてはモーツァルトだろうがジュスマイヤーだろうがどちらでも美しい音楽に変わりないのだ。(じゃあなんでこの文章書いてるの?なんて突っ込まないでくださいね…!今東京に帰る新幹線の中で時間があったのです)


興味のある方は聴き比べてみてください。

それではまた…!


   藤岡 幸夫


※2010/07/15付 From Sachio モーツァルト 「レクイエム」 の話・・・その1は こちら
2012/2/11


昨日はミスタータイガースの掛布さんが美味しいお肉専門のレストランに招待してくださり、凄腕の脳外科のお医者さん(現役サーファー)と掛布さんのマネージャーさんと4人で騒いで今朝は久しぶりの酷い二日酔い。それでもとてもいいリフレッシュになった。皆さんありがとうございました。


昼間は毎年恒例の小野へ。吹奏楽と合唱の指導とソリスト合わせをしてきた。 来週の本番までどこまで進化できるかすごく楽しみにしてる。毎年小野にくると児童合唱の子供たちの声にすごく癒されます…。


   藤岡 幸夫


2012/2/9


鳥取から大阪に帰って3日間は休養(と言ってもラジオ収録や新聞の取材、営業などしてた)。年末からずっとハードだったのでこの間はスコアを一度も開けなかった。


今朝からスイッチを入れて久しぶりにモーツァルトのレクイエムのスコアをあける。その痛いほどの美しさに改めて息を呑んだ…。

午後は関西フィルとのリハーサル。早く終わったので久しぶりに夕方から独りで蕎麦屋で熱燗で一杯。

今週はちょっとのんびりしてます。


それではまた…!


   藤岡 幸夫


2012/2/7


日曜は鳥取で親子コンサート。昨年に引き続き2回めでとっても温かい楽しいコンサートでした。地元のスタッフの方々もとても熱心で、打ち上げもコンサートでソロを歌った山本耕平(テノール)さんと浦池佑佳さんが再び熱唱。とても楽しかった。是非ともまた来年も続けたい。


関西フィルとは金曜の定期はCD録音やFM収録もあったので神経もエネルギーも使ったけど翌日リハーサルして鳥取に移動して、この日の本番でも明るく元気。

定期も底辺を支える親子コンサートも同じようにすごく大切にする我々らしさを改めて実感できた週末でした。

皆さんお疲れ様でした!



鳥取は雪でした。



実行委員会の皆さんと。
すごく楽しく美味しくゴージャスな打ち上げでした!来年も楽しみにしてます!
向かって僕の左の藤田さんの息子さんはヨーロッパのオペラハウスの専属歌手で、向かって僕の右側の中ノ森さんの娘さんはピアニスト。皆さん芸術に理解があります。


   藤岡 幸夫


※2/5 鳥取公演の event reportはこちら
2012/2/4


昨日の関西フィルとの定期たくさんのお客様ありがとうございました。

前半の小山実稚恵さんの品格の高いブラームス素敵でした。

後半の吉松さんとシベリウスの7番も関西フィルがいつもながら僕のやりたいことに真摯に応えてくれて密度の高い演奏になったと思います。

皆さんありがとうございました!

昨日の演奏会は19日にNHK-FMで放送されます。シベリウスの7番はCD用にライブ録音したのでどうなるか楽しみ。


コンサート後は小山さんを囲んで打ち上げ。小山さんとは僕のデビュー前からの付き合いで、久しぶりに飲んで楽しかった。


さてさて今日は関西フィルとリハーサルしてそのあと雪の鳥取へ移動。明日は鳥取でコンサートです。


それではまた!



大阪からスーパーはくとで鳥取へ。


   藤岡 幸夫


※2/3 関西フィル定期演奏会の event reportはこちら

2012/2/2


   「吉松さんとシベリウス7番」の話


明日は関西フィルの定期。シベリウスの7番は僕の最も愛する交響曲の一つで、それは自然への賛歌だ。
3回現れるトロンボーンのソロは大自然の神の姿だと思ってる…。神聖な賛美歌、荒れ狂う嵐、春の訪れ、そして生きることの喜び…!


吉松さんの「朱鷺によせる哀歌」はデビュー当時イギリスでCD録音したし、ヨーロッパでよく取り上げたけど、今回久しぶりに指揮する。吉松さんにとってシベリウスは神様で、この「朱鷺によせる哀歌」からもシベリウスへの想いが美しい和音を通じて伝わる瞬間がある…。


吉松さんの出世作で、作曲家になりたくてなりたくてしょうがなかった強烈な想いの込められた美しくも厳しい音楽。この作品をよく取り上げたデビュー当時の指揮者になりたくてなりたくてしょうがなかった自分を想いだす…。


前半のブラームスのソロの小山実稚恵さんの品格の高い音楽も素晴らしいです。ブラームスっていいなぁ…。


明日の定期お楽しみに!


PS 7番の自筆スコアにはトロンボーンの主題のところに小さく「アイノ」(愛する妻の名前)の書き込みがある。それが何を意味するのか定かではないが、僕は偉大なる女神のように感じる。



   藤岡 幸夫



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