藤岡さんからお手紙が届きました。
スウェーデンから戻られた直後に書いて頂いた、ホットな「スウェーデン報告」と年末のスケジュールのご紹介です。年末は第九もあるし、ファンの皆様も益々楽しみですね。ぜひコンサート会場へ足をお運び下さいね。
(写真は藤岡さんのプライベートショットです。もちろん大きなJPEG写真にリンクしてあります。お楽しみ下さいね。) 感想のメールもお待ちしています。


こんにちは。もう冬ですねー。

 スウェーデン行ってきました。
 GAVLE交響楽団。ここは初めて。ストックホルムの空港から特急電車に乗って1時間。雪が積もってた。寒い!(携帯の手紙で冬の北欧は初めてと書いたけど、勘違いでした。ただ、北欧で仕事するの6回目だけど、今回が一番、北にいると実感した)。

 まずコンサート・ホールが美しい。
4年前に建てられたホールで1200席くらいのサイズ。北欧らしく、現代的なデザインに木がふんだんに使われてる。この建物の中に、コンサートホール、小ホール、事務局、ライブラリー、全部ある。後、驚いたのは楽員用のスペース。専用のバー、ビリーヤード室、スモーキング・ルームなど空間がたっぷり。

 プログラムは、モーツァルトの「魔笛」序曲、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲1番(以前にも書いた、僕のお気に入り)、ブラームスの交響曲1番。


 オケのサイズはちょうど関西フィルと同じ。
つい最近ストックホルムでの年間の演奏会で素晴らしい演奏をした団体に贈られる賞をとったらしい。メンバーもこれから増えるそうで上昇中のオケかな。

 ところで、日本やイギリスじゃ、ブラームスの1番を3日間たっぷり練習する時間はなかなか貰えないんで、勉強になった。リハーサルも2日目になると段々お互いがわかってきて面白くなる。弦楽器が良く鳴る、木管の響きもいい、モチベーションの高いオケ。(練習終了後にセカンドヴァイオリンがセクション練習したり、木管が残って合わせてる。朝9時から、ファーストヴァイオリンがセクションの練習してたのには驚いた。)

 ヴァイオリンのソロはPekka・Kuuisisto。
数年前、19歳でシベリウスのコンクールに優勝した若手。素晴らしかった。あまりヴィブラートを使わず、響きを大切にするタイプ、ちょっと珍しい。凄いテンションで、弾いてるときの眼は完全にイッちゃってる。怖いくらい。


 演奏会はいい雰囲気だった。ブラームスが終わった後、お客さんは総立ち、何回めかのカーテンコールでステージに戻ると、突然金管がファンファーレを吹いて、数小節のテーマをオケが演奏した。何だこの騒ぎはとびっくりしてたら、プレーヤーが「早くまた振りに来てね」という意味だと教えてくれた。こういうのは初めてだったんで嬉しかった。ただ・・・・、水をさすようだけど、細かいデティールがゲネ・プロの方がマッチ・ベターだったんで、それがすごく悔しい。


 

 

 

小川沿いに建つ新しいコンサート・ホール。淋しい雰囲気?


 
 

ホールの入り口。狭い・・・。でもお客さんはそれを知ってか、客足がすごく早い。内装は美しく、音響もいい。


 
 

ホテルからホールに向かう通り道。教会が建ってる。寒いが、空気が清んでて、気持ちいい。

ホテルの前の広場。お昼時になると、突然沢山の人で賑わう

左がpekka/kuuisistoで右がコンマスのclaudiaイタリア系。コンマスはまだ若いが、後ろのおじさんやおばさん達(オケの平均年齢はそんなに低くない)にしょっちゅうアドヴァイスを出す。


 さて帰国したら、梯君と大阪シンフォニー・ホールでモーツァルトの協奏曲2曲、次の日24日はサントリーホールで日フィルと、今年最も気に入ってるプロのひとつで吉松さんの傑作「鳥たちの時代」と「火の鳥」他。「鳥たち・・・」は本当に素晴らしい作品。シベリウス風のメロディが噴出すところや、鳥が大空を悲しく羽ばたく風景ETC、是非聴いて欲しい。

 そして次の週は関西フィルとの定期でショスタコーヴィッチの11番「1905年」と、須川さんのSAXで吉松さんFG協奏曲改訂版初演。ショスタコーヴィッチの11番はあまり深いとは言えないという人もいるが、まるで最高品質の映画音楽のように壮大な革命のドラマの情景が眼に浮かぶ作品。またどの楽章もメロディが親しみやすい。特に3楽章の美しさはには本当の悲しみがある。泣けます。

 本当は4番や8番も好きなんだけど、今回はショスタコーヴィッチ嫌いの人にも聴いて欲しくて、11番を選んだ。
 
関西フィルの奏でる炎のドラマ、お楽しみに。

 その後、関西フィルと大阪の新NHKホールでチャイコフスキーの5番、そして今年もまた第九(今回は6公演)に突入。第九の合間に、今や深い繋がりとなった京都の城陽や、岸和田でクリスマスコンサート。などなど。

それではまたコンサートで会いましょう!

            2002年11月15日


PS1 今月はじめにシンフォニー・ホールの企画で関西フィルと学校のコンサートを3回振った。僕はこの学生達のためのコンサートが大好きだ。一番難しいお客さんかもしれないけど、上手く彼等のハートをつかめた時は本当に嬉しい。今回は演奏会後に、感動してシンフォニーフォールの年間の会員にその場でなっちゃった(何も宣伝してないのに)生徒が何人かいてホールもびっくりしてた。 やった甲斐があった!

PS2 アムステルダムの乗り換えで3時間も待たされたんで、CDを買った。ボールトの指揮する、ラフマニノフの3番とヴォ−ン・ウィリアムズの8番のカップリング。ラフマニノフは来年パースで振るのを楽しみにしてる。それにしてもこのころのロンドン響って生き生きとしてる。ヴォ−ン・ウィリアムズも振りたくなった。

PS3 日本シリーズ・・・・・・の話はしない・・・・。


 

コンサート後、楽員専用のバーに誘われ、みんなで乾杯。楽しかった。

 

PS4
クラリネット・プレーヤーの奥さん(最後の写真の右端、偶然僕がノールショッピング響を振ったとき、フルートを吹いてた)、と会話をしていて、僕が「I love women too much 」と言ったら、彼女は「No, you can not love women too much 」(女性をいくら愛しても、愛しすぎることなんてないの意)・・・・・。このセリフ、グっときましたね。その後「イングリッシュ・ペイシェント」の話題で盛り上がった。彼女は6回観たそうだ。(ちなみに僕は3回)。「女性は素晴らしい。男は女性には絶対かなわない」 
という映画です。

   
※本ページの写真は藤岡さんのプライベート写真です。
     無断転用はお断り致します。

〜藤岡幸夫さんを応援するWEBの会より〜
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