ニューイヤー・コンサート2005

2005年1月16日 文化パルク城陽 プラムホール
指揮/藤岡幸夫
独奏/コー・ガブリエル・カメダ (ヴァイオリン)
管弦楽/関西フィルハーモニー管弦楽団 (コンサートマスター: ギオルギ・バブアゼ)
司会/西濱秀樹(楽団理事・事務局長)

主催/京都新聞社、関西フィルハーモニー管弦楽団、財団法人城陽市民余暇活動センター
協賛/星和電機株式会社、城陽市建設業協会、近畿砂利協同組合、城陽ローンテニス倶楽部

スッペ 喜歌劇「軽騎兵」序曲
ラロ 「スペイン交響曲」
  ピアソラ 「オブリビオン」

レハール ワルツ「金と銀」
ヨハン・シュトラウス2世 「アンネン・ポルカ」
ヨハン・シュトラウス2世 「皇帝円舞曲」
ヨハン・シュトラウス2世 「新ピチカート・ポルカ」
ボロディン 「だったん人の踊り」(歌劇「イーゴリ公」より)
  ヨハン・シュトラウス1世 「ラデツキー行進曲」

藤岡さんによるとこのコンサートとその前の鏡開きをしないと年が越したことにならないとかだそうですが、地元の支援も受けて恒例の城陽でのニューイヤーコンサート、開演1時間前にこれも恒例、複合施設の別の場所(ホールの入り口)で無料のウェルカムコンサート。関西フィルから友永さん、永井さん、飛田さん、大町さんの弦楽四重奏です。西濱さんが聴衆から笑いをとりつつ、団員と楽器紹介を交えつつ演奏されたのは、ロシア民謡「藁の中の七面鳥」、「80日間世界一周」、アルベニス「タンゴ」、ガーシュウィン「I got rhythm」。藤岡さんは例によって黒皮のコート以下黒づくしで、人垣の回りをあっちに行ったり、こっちに行ったり。
ここからはホールの中の話。開場すると多くの人はまず鏡開きの樽を囲みに直行。トランペット3人でファンファーレを交えつつ、藤岡さん、コーさん、ギオルギ・バブアゼさん(ゴギさん)、財団の山岡理事長の4人があいさつ(コーさんは英語で)、そして鏡開き。当然ながら少しずつながら飲む人多数。
第1部は最初の教科書に登場の頻度も高そうな《軽騎兵序曲》からフル回転で、次が《スペイン交響曲》。交響曲と称していますが事実上ヴァイオリン協奏曲です。しかも5楽章というかなり変わった構成。客層が変わったのか各楽章間に拍手が入ったのですが(藤岡さんとしてはOKかと)、第4楽章が一番得心した様な拍手が出て、どこがウケたのか細かくわかるという。陰翳に富むスペインの闇的な部分が強調された様な演奏に思いましたが、管弦楽は脇役に徹してコーさんのヴァイオリンが圧倒的に響きました。曲が終わる3秒くらい前にフライングで拍手がはじまりかけていたという…、演奏終わって間髪入れずのフライングのブラヴォーは批判されますが、これは…(@_@)。アンコール曲はホールで売っていたコーさんのCDにも収められている曲。
第2部は煮詰めたシチューの様に濃い演奏の《金と銀》から、藤岡さんは過去にこの曲を「多分一番好きなワルツ」と評しています。西濱さんが入ってきてトークがはじまります。藤岡さんは「(いつも飲んでいる喫茶室の)コーヒー飲み損ねた」(場内笑)、西濱さんは「藤岡さんは(この複合施設が好きで来れば)うろちょろしている」(場内笑)。かわいらしい《アンネン・ポルカ》の演奏後城陽出身ということでフルートの虎谷さんにいきなり振りが入り固まってしまう虎谷さん。西濱さんがいろいろネタを出してきます。その次が藤岡さんが「気品」をよしとする《皇帝円舞曲》、関西フィルとは初めてだそうです。近代的で機能的な演奏という感じ。次がゴギさんからピチカートとは何か説明が入って《新ピチカート・ポルカ》、以前に新ではないピチカート・ポルカを演奏した時にも「練習しておかないと痛いです」と説明がありましたが、今回もやはり3分間弦を弾き続けるとちょっと痛いという説明がありました。最後に《だったん人の踊り》。最初は綺麗でどちらかというと可憐な曲ですが、後ろに進むほどに盛り上げがものすごい演奏で、ホールの屋根が吹き飛ぶんじゃないかという勢いでした。
恒例の「関西フィルはあちこちでたくさんコンサートをしていますから」という藤岡さんのあいさつ、今回は「お待ちしています」を非常に強調。そして大きな拍手の中《ラデツキー行進曲》。藤岡さんとゴギさんがもらった花束を場内にトスして終わり。
今月はまだ藤岡さんを主に関西フィルはあちこちにコンサートに出かけますし、2月はあちこち以外にも常任指揮者飯守泰次郎さんがいずみホールで関西ゆかりの日本人作曲家3人の曲をとりあげる(!!)という記念碑的な演奏会もありますし、定期演奏会は飯守さんと藤岡さんの二枚看板が登場、それを東京での「地方都市オーケストラフェスティバル」に持ちこむというのもあります。要注目かと。
以上です。





                2005年1月16日 Fu(ふ)




いつも本当に詳しいレポートありがとうございます。
たしか、Fuさんと初めて会ったのは、この城陽の
コンサートですよね。毎年本当に楽しみにしています。
これからもどうぞよろしくお願いします。




藤岡幸夫

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