関西フィル第167回定期演奏会」

2004年9月16日 ザ・シンフォニーホール(大阪市)
指揮/藤岡幸夫 (コンサートマスター: ギオルギ・バブアゼ)
ピアノ/園田高弘

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番, 交響曲第2番

今回のテーマは「ロシアン・ロマンティシズム」です。会場は補助席(大阪の防火基準では出してもいいことになっている)だけでは足りず1階最後尾に1列ぎっしりの立ち見客が並んでいました。

・ピアノ協奏曲第2番
園田さんと藤岡さん入ってくるとかなり長い拍手があって、それから演奏がはじまります。重厚なアンティーク家具のような弦が響いてきます。関フィルの音は大阪のオケには珍しいクリスタル系だと思っているので、意外な感じ。ところが園田さんのピアノも意外なことにひそやかにきこえてきます。いつぞや別の楽団と演奏したブラームスのピアノ協奏曲第2番は威風堂々の手本みたいだった記憶があるのですが…。チラシ等では「ただ甘美なだけではない。背中で語る男たちのロマン! 園田と藤岡のほとばしる激情に、誰もがむせび泣く! ・・・」ということなのですが、男のロマンはそっと見えるもので、転がり回って見せびらかさないという美学か。まず見えるのは傷つきやすい寂寥感、でしょうか。その向こうに何が垣間見えるか、という感じでした。この手でむせび泣かせることも出来るんですね。演奏が終わると拍手が天から落ちてくる勢いで降ってきました。園田さんが何回かコンマスのゴギさんと握手をしていたのが印象的です。

・交響曲第2番
実はこの曲は今年聴くのが2回目です。前半と同じく、クリスタルではなくアンティーク家具の優しい音で曲が進みます。よくわからんというイメージを持っていた第1楽章が親しみやすくきこえたり、第2楽章はやはり揺れたりとか。ピアノ協奏曲よりも激情は隠さずかなりストレートに見せている感じで、第3楽章は如実というか饒舌というかでした。第4楽章との切れ目も余韻をもった終わり方。聴いていて思ったのは曲が進むに従って世界が拡がってゆく感じであること。藤岡さんも音の宇宙とどんどんシンクロしているのが見えました。木管をはじめ指揮もオケもなかなか好調です。終演後の周囲では「知らない曲だったけれど、この演奏なら知らなくてもすごく楽しめた」なんていう声が入ってきました。

以上です。

                    2004年9月17日 Fu(ふ)




いつもありがとうございます。 このコンサートは結局、園田先生の公開コンサートの
最後のコンサートとなってしまいました。
あの時、僕は園田先生の姿を目に焼き付けようと、
できる限り園田先生の姿を見ながら指揮していたのを
思い出します。
このコン サートで園田先生から教えられたものという
のは、言葉では言い表せないくらいのも のでした。
僕にとって想い出のコンサートです。
またコンサートでお会いしましょう。




藤岡幸夫

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