目覚めた時に降っていた雨もあがり、関西は静かな夜を迎えています。
                藤岡さんの過去のお便りを少しずつ開いては読ませて頂いていて、
                恩師の方のことを書かれてあるものに行き着きました。
                それはとても良い文章でした。
                慈しみがあり、温かみがあり、謙虚がありました。
                先生を描かれたテレホンカードを持っておられたり、ステージを終える
                度に今は亡き人に話しかけられたり・・・
                大勢の客席と対峙した舞台から降りた後、お二人だけでする話という
                ものが必要なのだと感じました。
                
                こうしてメールをさせて頂いたり、時にアップして頂いたりする度に
                私はいつも間に入って下さる「藤岡さんを応援するWEBの会」の方に
                「ありがとう」と思わずにいられません(※注)。
                パソコンの中に「藤岡さんからお手紙が届きました」というお知らせが
                届くたびに「えっ?わたしに?」と一瞬ドキッとし、毎度のことなのに
                「そんなアホな・・・」と思って自分にちょっと笑う。
                
                  ※WEBの会注:メールを一度でも頂いた方には、藤岡さんからの
                   「FROM MANCHESTER」のお手紙が到着する度に、ご案内の
                   メールを差し上げております。
                
                そしてこのお知らせがどんなに嬉しいか、この当たり前でいて当たり前
                でない作業の積み重ねが藤岡さんへの道をつけて下さる。
                あなたのまわりにはこうしていつも誰かしら[ひと]を感じる。
                育ててくれたご家族・青春を過した仲間・音楽に導いてくれた先生・現
                在のご家族・オケメンバー・マネージャーの方etc.
                ファンのみなさんがお子さん連れであったり、ご夫婦だったり、男性の
                かたも多かったりするのは藤岡さんのお人柄はもちろん、このあなたの
                そばや背後の人々が大きくかかわっていると思います。
                
                もし私のクラシックへの門があなたでなかったら、私は知識の無いこと
                を少し恥じ卑屈になっていたかもしれないと思います。
                藤岡さんは誰をも受け入れる懐の深さと、何にも左右されない強い意志
                を持っているのだろうと感じます。
                
                静から動へ、動から静へ・・・私達は淋しいけれど2つのコンサートを
                終えてヨーロッパへ暫く戻られるというのも又大切なことなのでしょう。
                例えば外国の指揮者の方に心酔しても、私はその感動を伝える微妙な
                言葉を持ちません。
                それはある種感動の一方通行でしかありません。
                絵画でも演劇でも音楽でも芸術家はまず母国の人々が応援し、育てねば
                ならないと思うのです。
                「見て、聴いてこんなに嬉しい」と伝えねばなりません。
                音を紡ぐということだけでなく、音楽を通した藤岡さんのお仕事の在り
                様をこれからも楽しみに見せて頂きたいと願っています。
                
                24・26日は聴かせていただきます。
                どうぞお身体を大切に・・・また、日本に帰ってきて下さい。
                
                
                           2001年6月22日 秋津
                
              
              
              
               
 
              
              いつもありがとうございます。
              僕は、多分人間が好きなんですよ。音楽やってて
              でも音楽より人間の方が好きなのかもしれないです。
              それがいいのか悪いのかわからないですけどね。
              (音楽と女性なら迷わず女性をトル人間ですから。
               僕は・・・・・・。) 
              
              
              
              
              藤岡幸夫